いづれ神話の放課後戦争(ラグナロク)

著:なめこ印

イラスト:よう太

キーワード

用語解説

神話戦争

十年前、地上に降りた神話の神々が『唯一神』の座を巡って引き起こした戦争。この戦いによりユーラシア大陸の三分の一が消失。二十以上の国が消え、十五億人の犠牲者を出した。戦いは三日で終わり、神々はそのままどこかへ消えたと聖餐管理機構は発表した。今なお戦場跡には神性現象が呪いのように残留している。

神話代理戦争

自分たちの戦いが世界そのものを破壊してしまうと気づいた神々が人間と取引し、場所とルールを定めて行うことにした神話戦争の続き。三年に一度、学園のあるローラシア島で秘密裏に神話代理戦争は繰り広げられる。今年で三度目となるが、未だに決着はついていない。学園外部の者はもちろん、一般生徒もその存在は秘匿されている。

神格適合者

神の器に選ばれた少年少女たち。神が地上に顕現するためには肉体が必要であり、神格適合者は神々が神話代理戦争を行うための容れ物として使われる。彼ら彼女らに拒否権はなく、神の魂をその身に宿すと特殊な例を除いて人格が消滅する。

ローラシア島

砕かれたユーラシア大陸に北極海が流れ込み、新たにできた海の中心に造られた人工島。聖餐管理機構はこの島に学園を造り、そこに世界中から少年少女を集めている。

学園

ローラシア島に集められた少年少女が通う場所。島内唯一の教育機関であるため、固有名詞を持たず単に「学園」と呼称される。

聖餐管理機構(エウカリスティア)

神話戦争後、急速に台頭した組織。戦後の混乱期に教会を出し抜き、神話戦争に関するあらゆる戦後処理及び情報統制の権限を得る。戦場跡の神性現象の除去など戦災復興にも尽力しているため、謎の多い組織にもかかわらず世間からの認知度は高い。

夜時間

放課後、陽が沈んだあとの時間を特にそう呼ぶ。学生寮の門限でもあり、聖餐管理機構側は毎日日の入りの時間を計算して生徒たちにアナウンスする。夜時間になると寮を除く島内全域が異界化し、そこが神話代理戦争の舞台となる。日の出とともに異界化は解除され、戦いで破壊された物や建物は全て元通りになる。

『レガリア』

その神の象徴する武器や装神具、能力のことを指す。いずれも人智の及ばぬ絶大なる力を有し、神々は『レガリア』をもって互いに殺し合う。

『バロールの魔眼』

ケルト神話の魔神バロールが有する『レガリア』。致死・支配・石化・幻覚・金縛り・先見エトセトラエトセトラ……世界各地に存在するあらゆる魔眼伝承の能力を全て備えた王の魔眼。

background:景田 学